慣らしおばちゃん

今朝、犬の散歩をしてたらさ・・・

ご近所に4歳くらいの男の子がいます。
犬の散歩をしていると時々会います。ほんとに時々、3・4ヶ月に1度くらいだから、名前も知らないです。
人懐こい子で、私と犬を見ると『わんわん!』と、寄ってきてくれます。おそるおそる犬の頭をさわさわしてくれます。
いつも『どこ行くん?』と聞いてくれるので、『お散歩やで〜』と軽く会話を交わします。

今週末、たまたま2日連続で、男の子に彼の家の前で会いました。
道に面した庭から、『わんわ〜ん!』と駆け寄ってくれます。
今日は弟も一緒。赤ちゃんだった弟はおもちゃの車にまたがって一人でこいでいました。
よその子の成長は本当に早い。
『どこ行くん?どこまで行くん?』
『散歩やで〜、お家の周りくるっと周るんやで〜』
いつもなら、だいたいそれだけで終わる私と男の子のやりとりですが、その日は、私の持っているお散歩バッグを見て、『それ、わんわんのエサ入ってるん??』と聞いてくれました。
時々、散歩のときに会って、二言三言交わすだけの間柄ですが、男の子の成長とともに私達の距離はちょっと近くなってきたのです。
ん〜、『犬のうんこ取るナイロン袋やで』とも言えず、『わんわんのおもちゃやで』と、嘘をつきました。
見せて。と言われないかちょっとドキドキしました。子供が興味を持ちそうな【おもちゃ】というフレーズを出してしまったことを後悔しました。
見せて。と言われる前にこの場を去ろうと、『道に飛び出したらアカンよ〜』と、もともと短い私達の時間を、バサっと切り上げました。
せっかくあんなに小さい子が、いつもより会話を広げ、コミュニケーションを取りに来てくれたのに…。
小さな男の子相手に、私は何をドギマギしているんだ。
下手な嘘をついたこと、無理やり話を切り上げたこと、自分の対応力の低さに落ち込んだのでした。

そして、次の日。
その日も、男の子に会いました。
弟と一緒に泥あそびをしていたようで、足も顔も乾いた泥でカピカピです。
今時珍しい、勢いの良さを感じました。さすが田舎の子よ。
私と犬を見つけた男の子が、カピカピの両手を振りながら
『おばちゃ〜〜〜ん!』と駆け寄ってきたのです。

がはっ!
わかってるわかってる。
いや別にそんな驚かんし、受け入れてないわけじゃないけど。
けど…。一瞬、私が連れてるメス犬のことかと思った。

息子高1と小6やし。
子供産んだ時点で、いつ何時でも『おばちゃん』って言われる覚悟はできてるし。
なんなら息子の友達の前では自分で『おばちゃん』って言うてるし。
15年前に覚悟はしたけど、実際、子どもの友達からは『〇〇のお母さん』と呼ばれることがほとんどで、『おばちゃん』って呼ばれたことはあんまりなかたんですよね。
だから、ちょっとびっくりしちゃって。
びっくりしちゃう自分にもびっくりしちゃって。アンタまさか自分のことおばちゃんじゃないと思ってたんちゃうやろな??って…(笑)。
犬には申し訳ないけど、ホンマに一瞬、犬のことかと思った。

なんやろなぁ。
全然抵抗ないし、嫌じゃないんやけど、急に文字通り大手を振って『おばちゃ〜〜〜ん!』と駆け寄られると、私の後ろに【おばちゃん】がいるのではないかと振り返りそうになる。
そして、そこに私以外誰もいないことに気づき、自分の顔を指差して『私?』と素っ頓狂な声を出す羽目になりそうです。
そんな姿を、男の子の若いお母さんに見られたら、それこそ赤っ恥だろうと思うのです。

【老い】とか【おばちゃん】とか、歳を重ねることを否定的には思っていません。
【老い】を楽しもう。老いてようやくもう少し大人になれる。とすら感じています。
そんなにお付き合いのない、ご近所の若奥さんですが、【おばちゃんと呼ばれることを受け入れられていない人】と、思われるのは、非常に侵害で、私的にはシミだらけになるよりよっぽど恥ずかしいのです。

そんなことにならないように、『おばちゃ〜〜〜ん!』にも慣れていこうと思いました。

ちなみに、歳を重ねることは肯定的に捉えていますが、けたいわけではないのです。
健康的に、いきいきと歳を重ねたいと思っています。
なので、シミやシワをやすやすと受け入れているわけではありません。しっかりUVケアをしますし、近代医療に頼ってシミ取りもボトックスもしています。
矛盾でしょうか??
なんだかんだ、難しい年頃なのかもしれません(笑)。







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